流体物理学ゼミナール2010/05/10


流体力学セミナー流体力学セミナー

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流体力学セミナー 2010

日時: 5月10日(月) 15:00 から 16:30

場所: 京大 数理解析研究所 204号室

講師: 横山 直人 氏
(京大 工学研究科 航空宇宙工学専攻)

題目: 波動乱流の大自由度性と弱非線形性

概要:海洋表面波や海洋内部波、金属薄板を伝播する弾性波など、自由度の大きな
波動場が非線形相互作用によって波数間のエネルギー授受を行う系は波動乱流系
と呼ばれる。波動乱流の統計理論では、波数間の非線形相互作用が弱いことを
仮定した弱乱流理論から得られる、運動論的方程式が一定の成功を収めている。
しかしながら、海洋表面重力波や海洋内部重力波の観測や数値計算では、
弱非線形の仮定を破るような短時間の強い非線形相互作用がしばしば見られる。

Navier-Stokes乱流で用いられる直接相互作用近似によって、弱非線形性を仮定
することなく、波動乱流のエネルギー輸送を記述する式を導いた。また、得られ
たエネルギー輸送式において、さらに弱非線形相互作用を仮定することによって
弱乱流理論の運動論的方程式をを再現できた。このことは、波動場が大自由度で
あることを用いた直接相互作用近似による枠組みが、大自由度とともに弱非線形
性を仮定した弱乱流理論の自然な拡張となっていることを表している。

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世話人:山田 道夫(京大数理研), 藤 定義(京大),松本 剛(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:山田道夫 yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp
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