流体物理学ゼミナール2010/05/17

流体力学セミナー流体力学セミナー

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流体力学セミナー 2010

日時: 5月17日(月) 15:00 から 16:30

場所: 京大 数理解析研究所 204号室

講師: 森田 英俊 氏(京大理)

題目: 二次元乱流系における巨視的非定常流

概要:二次元乱流において巨視的パターンが自己組織化されることがよく
知られている.この20年程の研究により,これらの巨視的定常流が,
二次元Euler方程式に平衡統計力学を適用したときの「平衡」状態,
として記述されることがわかってきた[1].しかし従来,
その対称は主として定常流(「平衡」状態)に限られてきた.

一方,熱力学系は平衡状態から離れるにつれて,非平衡定常状態,
さらに分岐を起こしてリミットサイクル等の巨視的非定常運動を生む.
この非平衡系の一般的知見からいって,二次元乱流においても,巨視的
定常流から遠く離れたところで,非定常流がみられることが期待される.

本講演では,この非定常流が実際に見られたこと,およびその機構を報告する.
二次元Euler方程式において,巨視的定常流に対してある変位を与える.
変位が小さいと,系はその定常流の近傍へと緩和する.それに対し,
変位が大きくなると,系は「分岐」を起こし,ある巨視的非定常流が実現する.
この非定常流は定常流に緩和するまでの過渡的なものではなく,ずっと安定
して続く.外力なくこの非定常流が続くのは,その非定常流自身により
系が励起される,自己励起的な機構による.これは講演者らが以前発見した,
大自由度Hamilton力学系における集団運動[2]と同様のものである.

[1] R. Robert, J. Stat. Phys. ¥textbf{65}, 531 (1991).
[2] H. Morita and K. Kaneko, Phys. Rev. Lett. ¥textbf{96}, 050602 (2006).

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世話人:山田 道夫(京大数理研), 藤 定義(京大),松本 剛(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:山田道夫 yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp
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