論文紹介2011/11/15


論文紹介論文紹介

皆様,

数理研D2の木村恵二です.
明日の論文紹介のご案内を致します.

日時 : 11月8日(火) 15:00–
場所 : 理学研究科5号館413号室
発表者: 数理研D2 木村恵二
論文 : “Steady and fluctuating inner core rotation in numerical geodynamo models”
J. Aubert and M. Dumberry,
Geophys. J. International, Vol.184, pp.162-170 (2011)

内容 : 内核がマントルに対して経度方向に差動回転することを
許す場合のダイナモ計算を行った.ただし内核には
粘性トルク,磁場によるトルクに加えて
マントルによって引き起こされる重力トルク
(gravitational restoring torque) がかかるとする.

外核(液体)の overturn time に対して十分長い
タイムスケールでの内核の振る舞いに着目し,
内核の平均的な回転角速度の外核の平均速度に対する
スケーリング則を数値計算によって求め,
マントルよりも速く回転している内核の回転角速度は,
マントルの回転が速くなるにつれて
マントルの回転の速さに近づくことを見出した.
またその結果を,内核に働くトルクのバランスを
考えることによって解釈した.
このスケーリング則は重力トルクの強さに依存しないが,
重力トルクを大きくすると内核の回転角速度は小さくなる.
また内核の回転角速度の変動成分は回転の速さに
依存しないことが見出された.

これらの数値計算結果から,現在地震波によって
観測されている内核の差動回転は定常的な superrotation ではなく,変動成分であることが示唆される.

至らない点が多々あると思いますが,よろしくお願いいたします.

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木村 恵二 KIMURA Keiji
京都大学 数理解析研究所 博士課程2年
Homepage: http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/‾kimura/
Email: kimura@kurims.kyoto-u.ac.jp
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