流体物理学ゼミナール2012/11/05


流体力学セミナー流体力学セミナー

11/5(月)の流体力学セミナーを御案内いたします。
御来聴歓迎いたします。

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流体力学セミナー 2012

日時: 11月5日(月) 15:00 から 16:30

場所: 京大 数理解析研究所 204号室

講師: 水野 吉規 氏 (同志社大学 理工学部)

講演題目: 壁乱流の対数層におけるスケーリング則と新しい数値計算手法

講演要旨:

固体壁面の近くの乱流場では乱れの性質が空間的に非一様になり,特に壁に垂
直な方向にそれが顕著に現れる.速度乱れの特徴的な長さスケールが固体壁面か
らの距離に比例することは,プラントル以来,古くから指摘されているが,その
詳細な検証がされるようになったのは実験技術や計算機の能力が向上した比較的
最近になってからである.

我々は,乱流境界層と平行平板間の乱流の直接数値計算データを用いて,速度
乱れのスケーリング則を調べた.その結果,(1)有限のレイノルズ数では,乱
れの長さスケールは壁からの距離ではなく,せん断の強さによって決まること,
(2)レイノルズ数が無限大の極限において,壁からの距離に比例することがわ
かった. また,このスケーリング則を満足するような境界条件を与えて内層
(壁付近の領域)を除いたチャネル乱流のシミュレーションを実施し,このスケ
ーリング則が対数層の形成に本質的な役割を果たしていることを確認した.

(以上の内容はマドリッド工科大学の Jimenez 教授との共同研究による.)

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世話人:山田 道夫(京大数理研), 藤 定義(京大理),松本 剛(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:山田道夫 yamada__at__kurims.kyoto-u.ac.jp
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