カテゴリー別アーカイブ: 流体力学セミナー2007

流体物理学ゼミナール2008/02/20

数理研談話会をお知らせいたします.来聴歓迎.

このセミナーは,先にお知らせしました2月12日(火)のセミナーの翌日の
2月13日(水)に開催いたします.そのためやはり,セミナーの「曜日,時
間,場所」がすべて通常と異なります.ご注意ください.

======================================================

流体力学セミナー 2008 No. 3

日時: 2月13日(水)15:00から16:30

場所: 京都大学数理解析研究所1階115号室

講師: Dr. Paul Manneville
(Laboratoire d’Hydrodynamique, Ecole polytechnique, Palaiseau)

題目: Plane Couette flow at the laminar-turbulent transition

概要:
Though the mechanisms involved in the transition to turbulence in wall
flows are now better understood [1], statistical properties of the
transition itself are yet unsatisfactorily assessed. Poiseuille pipe
flow (Ppf) and plane Couette flow (pCf), both lacking linear
instability modes, have attracted considerable interest recently [2.6].
These flows become turbulent through the nucleation and growth or
decay of turbulent domains that, on the one hand, can be interpreted
within the framework of low dimensional dynamical systems theory as
transient chaotic states associated to stochastic repellors. On the
other hand, limitations due to finite observation times and/or system
size may play a role and correlative spatiotemporal processes cannot
be ruled out in the transitional regime. In the pCf case, the problem
has been explored via numerical simulations of a model focusing on the
in-plane (x, z) space dependence of a few velocity amplitudes with
reduced cross-stream (y) dependence [6]. The model is closer to Navier. Stokes
equations than previously considered coupled map reductions and
there is evidence that it is well suited to the low-R transitional
range. After a brief review of experimental results [5], I will
present my most recent findings, discuss them in view of those for Ppf
[2,4], and attempt to make a connection with the theory of first order
phase transitions [7], as suggested long ago by Y. Pomeau [8].

参考文献:
[1] T. Mullin, R. Kerswell, eds., IUTAM Symposium on Laminar-Turbulent
Transition and Finite Amplitude Solutions (Springer, 2005). [2] B. Hof et al.,
Nature 443 (2006) 59. [3] J. Peixinho, T. Mullin, Phys. Rev. Lett. 96 (2006)
094501. [4] A.P. Willis, R.R. Kerswell, Phys. Rev. Lett. 98 (2007) 014501. [5]
S. Bottin et al., Europhys. Lett. 43 (1998) 171. [6] M. Lagha, P. Manneville,
Eur. Phys. J. B 58 (2007) 433-447. [7] P. Manneville, “Understanding the
sub-critical transition to
turbulence in wall flows,” Pramana-Journal of Physics, to appear. [8] Y. Pomeau,
Physica D 23 (1986) 3-11.

+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+—-+–+–+

世話人:藤 定義(京大),山田 道夫(京大数理研),松本 剛(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp
==============================================

山田道夫
京都大学数理解析研究所
〒606-8502 京都市左京区北白川追分町
tel: 075-753-7221, fax: 075-753-7272
email: yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp

戻る [http://www.kyoryu.scphys.kyoto-u.ac.jp/semi/semi2.html]

流体物理学ゼミナール2007/12/10

山田@京大数理研です.

来週月曜の京大数理研流体力学セミナーのお知らせです.

Farge さんの講義案内が流れましたので,まだ少し早いのですが,
同じ時期の Farge さんのセミナーを御案内いたします.

|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|-
|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|-

流体力学セミナー 2007

日 時 : 07年 12月 17 日 (月) 15:00〜16:30

場 所 : 京大数理研 009号室

講 師 : Marie Farge
(LMD-IPSL-CNRS,Ecole Normale Superieure, Paris)

題 目 :
Extraction of coherent structures using wavelets:
application to turbulent flows in fluids and plasmas

要旨 :

We will discuss the pertinence of the wavelet representation
to study turbulence. We will then present a wavelet-based
algorithm to extract coherent structures out of turbulent
flows. We will demonstrate it on a 1D turbulent signal
measured in the tokamak Tore Supra in Cadarache, then on 2D
and 3D turbulent flows computed by direct numerical
simulation. We will briefly present the CVS (Coherent Vortex
Simulation) method which computes the time evolution of
turbulent flows in an orthogonal wavelet basis, adapted at
each time step to resolve all nonlinear interactions
whatever their scale.

This work has been done in collaboration with Kai Schneider, CMI, Universite de
Provence, Marseille, and our PhD students.

You can download our publications from
http://wavelets.ens.fr

+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–
世話人:山田 道夫(京大数理研),藤 定義(京大理)、
松本 剛(京大理)、
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp

戻る [http://www.kyoryu.scphys.kyoto-u.ac.jp/semi/semi2.html]

流体物理学ゼミナール2007/11/26

数理研セミナーをお知らせいたします.来聴歓迎.

======================================================

流体力学セミナー 2007 No. 5

日 時 : 2007年 12 月 3 日 (月) 15:00〜16:30

場 所 : 京大数理研 009号室

講 師 : 田口智清 氏
(神戸大 自然科学系 先端融合研究環)

題 目 : 周期構造を持つ多孔質中を流れる希薄気体流の拡散モデル

内 容 :

気体分子の平均自由行程が系の代表長に比べて無視できない系における気体の
振る舞いを考える場合,局所平衡状態を前提とする巨視的気体力学ではその振
る舞いを正確に記述できず,より微視的な視点に立つ分子気体力学によらなけ
ればならない.従って,低圧気体(高層気体)やマイクロスケール流の理解と
正確な記述には分子気体力学に基づく考察が必要不可欠であり,近年ますます
その重要性を増しつつある.特に,希薄気体においては,熱的効果によっても
流れが誘起されることが知られており,熱駆動型非機械的ポンプなどへの応用
も近年盛んに研究されているところである[1].

本講演では,径の大きさが平均自由行程程度である微細細孔を持つ多孔質体と
その中を流れる希薄気体流を考え,多孔質が周期的構造を持つ場合に,多孔質
中の質量と熱の振る舞いを記述する拡散モデルを分子気体力学に基づき導出す
る.また,拡散モデルに含まれる拡散テンソルを,多孔質が正方配列円柱群で
ある場合にBoltzmann方程式のBGKモデルを用いて,広い希薄度の範囲にわたり
具体的に構築する.さらに,古典的なDarcy則に対する希薄化の効果も議論す
る.最後に,導出したモデルの圧力差による流れへの適用例を紹介する.

[1] Y. Sone, Molecular Gas Dynamics: Theory, Techniques, and
Applications,(Birkhauser, Boston, 2006).

+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+

世話人:松本 剛(京大理)、山田 道夫(京大数理研),藤 定義(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp

戻る [http://www.kyoryu.scphys.kyoto-u.ac.jp/semi/semi2.html]

流体物理学ゼミナール2007/11/12

来週月曜の流体力学セミナーのお知らせです.来聴歓迎.

|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|-
|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|-

流体力学セミナー 2007 No. 4

日 時 : 2007年 11 月 19 日 (月) 15:00〜16:30

場 所 : 京大数理研 009号室

講 師 : 大槻 道夫 氏
(京都大学 基礎物理学研究所)

題 目 : ガラス状物質の非線形レオロジーの微視的理論

内 容 : ガラス、コロイド、高分子のように、低温または高密度状態で物理
量の緩和時間が極端に長くなる物質は、ガラス状物質と呼ばれる。ガラス状物
質は、高温低密度状態で剪断応力がshearに対して線形に増加するNewton則が
みられるが、低温高密度状態になるとshear- thinning、shear-thickening、
降伏応力の発生などの、応力がshearに対して非線形な応答をする現象が見ら
れる[1]。これらの非線形レオロジーに関して、実験・シミュレーション・MCT
を用いた解析計算によって様々な研究がなされてきた。しかし、ガラス状物質
の非線形レオロジーの完全な理解は未だになされていない。

このような錯綜した状況の中で、ガラス状物質のレオロジー特性の統一的な
理解を目指して、ガラス状物質のレオロジー特性の構成方程式(剪断応力と剪
断速度の関係式)を、微視的なモデルから理論的に導出した。特に、物質の応
力が粒子間の距離の分布を表す2体分布関数によって決定されることに着目し
た解析を行った[2]。解析によって得られた構成方程式は、高温低密度状態で
Newton則を示し、低温高密度状態で降伏応力の発生を示すガラス状物質のレオ
ロジー特性を良く表すものである。

[1]. L. Berthier, J-L. Barrat, J. Phys. Chem. 116, 6228 (2002) [2]. M. Otsuki,
S. Sasa, J. Stat. Mech. L10004 (2006)

+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+–+

世話人:松本 剛(京大理)、山田 道夫(京大数理研),藤 定義(京大理)、
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp

|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|-
|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|–|-

戻る [http://www.kyoryu.scphys.kyoto-u.ac.jp/semi/semi2.html]

流体物理学ゼミナール2007/05/22

森田@京大流体研M1 です。

本年度のセミナーを担当致します。よろしくお願いします。

4/17(火)より第1回目のセミナーを、5号館519にて13:30〜15:00で行います。

セミナーのテキストは、

「STATISTICAL THEORY AND MODELING FOR TURBULENT FLOWS」
P.A.Durbin B.A.Pettersson Reif (WILEY)

(ISBN: 0-471-49736-3)

4/17(火)のセミナーでは、この本のはじめから読む予定です。

テキストのコピーは当日配布する予定です。

よろしくお願いいたします。

====================================================
森田 浩之 Morita Hiroyuki

京都大学大学院理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻
物理学第一分野 流体物理学研究室 修士課程1年
====================================================

戻る [http://www.kyoryu.scphys.kyoto-u.ac.jp/semi/semi2.html]

流体物理学ゼミナール2007/04/26

流体力学セミナー 2007 No. 2

日 時 : 07年 5 月 7 日 (月) 15:00〜16:30

場 所 : 京大数理研 009号室

講 師 : 野口尚史
(工学研究科 航空宇宙工学専攻)

題 目 : 二重拡散対流による水平貫入現象の構造

内 容 :
海洋中の密度の鉛直分布は決して滑らかではなく、数10mスケールで鉛
直方向に階段的に密度が変化しているのがしばしば観測される。このよ
うな密度分布を形成・維持するメカニズムとして考えられているものに
二重拡散対流がある。

二重拡散対流は、分子拡散係数が異なる2つの成分によって密度成層し
ている流体で生ずる対流運動であり、いずれか片方の成分についてみた
ときに不安定な成層をしていれば、全体が静力学的に安定な密度成層を
していても生じるのが特徴である。不安定成層しているのが拡散が速い
方の成分(海洋の場合は温度)の場合を拡散型対流、遅い方の成分(塩分)
の場合をフィンガー対流と呼ぶ。

黒潮と親潮のように異なる水塊が接する海域は、多くの場合、水平方向
に密度はほぼ等しいが温度と塩分とが勾配を持った「熱塩前線」になっ
ているため、前線面が傾けば二重拡散対流が生じ得る。実際、このよう
な前線は不安定で、二重拡散対流の効果により両側の水塊どうしが多数
の層に分かれて相互に貫入する運動が生じることが実験的に知られてい
る。貫入層の内部は細長いフィンガー対流が埋めつくし、層どうしは拡
散型対流によって形成されるシャープな密度境界面によって仕切られて
いる。

この貫入運動は、貫入層の厚さに比べてはるかに微細な規模のフィンガー
対流や拡散型対流の集合的な密度輸送により駆動されており、大きく異
なる規模の現象どうしの強い相互作用の結果生ずる現象であるため、理
論解析や過去の数値シミュレーションでは集合的効果のパラメタ化に頼
らざるを得ず、結果がパラメタ化の表現に大きく依存してしまう問題が
あった。

本研究では、まず室内実験で貫入現象を再現し、観察した。次に、フィ
ンガー対流・拡散型対流を解像しつつ貫入層スケールまで表現する2次
元(水平-鉛直)の直接数値シミュレーションを用いて、理想的な状況で
の貫入現象を再現した。

その結果、前線面を挟んでの温度・塩分の差が小さいときは拡散型対流、
大きいときはフィンガー対流が密度輸送において支配的になり、貫入層
がそれぞれ塩分が小さい側、大きい側に向かって傾斜することが室内実
験・数値実験から確認された。この傾斜の反転は活発なフィンガー対流
が層境界面を壊すという、大きな構造の変化を伴なうものであることが
分かった。

戻る [http://www.kyoryu.scphys.kyoto-u.ac.jp/semi/semi2.html]

流体物理学ゼミナール2007/04/11

流体力学セミナー 2007 No. 1

日 時 : 07年 4月 23 日 (月) 15:00〜16:30

場 所 : 京大数理研 009号室

講 師 : 河井洋輔
(京都大学人間環境学研究科相関環境学専攻)

題 目 : 非中性プラズマを用いた2次元流体緩和過程に関する実験的研究

内 容 :

単一荷電粒子の集合である非中性プラズマを、円筒容器内に軸方向には電場、
径方向には磁場を用いて閉じこめると、磁気軸に垂直な断面内でのマクロな運
動が非圧縮性2次元Euler流体の運動と等価になる。この時電子密度が渦度に、
自己ポテンシャルが流れ関数に対応する[1]。

初期条件として Kelvin-Helmholtz 不安定な密度分布を形成すると、密度分布
は複数個の渦を形成して乱流状態となり、渦間の合体を繰り返して準安定な渦
配位を形成し終状態に達する。

この2次元乱流緩和過程について、計測した渦度分布とそれより導出したエネ
ルギースペクトルから既存の乱流理論との比較を行った。更に初期条件を精密
に制御して、乱流の基礎過程となる2渦間の合体について詳細な検討を行った。

緩和過程の終状態では渦が対称的な格子状配位を形成する“渦結晶”と呼ば
れる現象が観測される[2]。この現象を乱流緩和過程よりも数百倍長いタイム
スケールで観測すると、格子渦の数が時間の対数に依存して減少している事が
判った。

乱流の緩和過程では渦数が時間のべき乗則に依って減少する事が理論より予測
されており、準安定分布の緩和過程がそれとは異なる機構によって進行してい
る事が示唆される。

[1] C. F. Driscoll and K. S. Fine: Phys. Fluids B 2 (1990) 1359.
[2] K. S. Fine, et al.: Phys. Rev. Lett. 75 (1995) 3277.
戻る [http://www.kyoryu.scphys.kyoto-u.ac.jp/semi/semi2.html]