カテゴリー別アーカイブ: 流体力学セミナー2010

流体物理学ゼミナール2011/02/07

流体力学セミナー流体力学セミナー

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流体力学セミナー 2010

日時: 2月7日(月) 15:30 から 17:00

場所: 京大 数理解析研究所 204号室

講師:名和 範人氏
(大阪大学大学院基礎工学研究科)

講演題目:
Kolmogorov 予想と Onsager 予想
ー 乱流理論の再構成のひとつの試み ー

講演要旨:
本講演は,坂上氏(北大)と松本氏(京大)との共同研究に
基づいている.古今東西,乱流に関する理論や研究は枚挙に
暇がないことは百も承知であるが,我々は,Kolmogorov に
よる定常・一様・等方的乱流の満足する統計則の意味から始
めて,

結局のところ,エネルギー散逸率とは何だろうか?

Onsager 予想の意味するところは?

という素朴な疑問から考え起こし,最近の数学的な結果も取り
入れて,ひとつの「物語」を作ろうとした.未だ完結した物語
ではないかもしれないが,こんな見方もできますよと言ったも
のを紹介できればと思っている.

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世話人:山田 道夫(京大数理研), 藤 定義(京大),松本 剛(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:山田道夫 yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp
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流体物理学ゼミナール2010/10/04

流体力学セミナー流体力学セミナー

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流体力学セミナー 2010

日時: 10月4日(月) 15:00 から 16:30

場所: 京大 数理解析研究所 204号室

講師: 村上真也
(神戸大学 大学院自然科学研究科 地球惑星システム科学専攻)

講演題目:
孤立した2次元非一様楕円渦の軸対称化過程において
フィラメントの及ぼす影響

講演要旨:
2次元乱流は多数の渦の運動とみなせるため, 個々の渦の動力学を調
べることは2次元乱流のよりよい理解の助けになるだろう. そのよう
な問題意識の下, Melander, et al.(1987)は非一様な渦度分布を持つ
楕円渦の軸対称化過程を研究した. 楕円渦はその軸対称化過程におい
て, フィラメント状の渦度領域(以下, 単にフィラメントと呼ぶ)を放
出することが知られている. Melanderらはフィラメントが誘起する速
度場が楕円渦を軸対称化させるか否かについて, 定性的な見積りを行っ
た. 我々はこれを数値的に調べ, フィラメントと渦のコア領域の渦度
場が楕円渦の軸対称化に及ぼす影響を議論した. その結果, フィラメ
ントとコアはフィラメントが形成されるタイミングで大きく軸対称化
に寄与していることが分かった. また, フィラメントとコアによる寄
与の大きさは同程度であった.

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世話人:山田 道夫(京大数理研), 藤 定義(京大),松本 剛(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:山田道夫 yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp
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流体物理学ゼミナール2010/08/02

流体力学セミナー流体力学セミナー

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流体力学セミナー 2010

日時: 8月2日(月) 15:00 から 16:30

場所: 京大 数理解析研究所 204号室

講師: 勅使河原 良平氏(京大理)

題目:蒸発と液化を伴った濡れ動力学: Dynamic van der Waals理論

概要:
濡れは、身近でありふれた現象である。応用的には、塗装、印刷、防水・撥
水加工された服や車両、基盤の洗浄など広い分野で関係している。そして、
濡れに関する多くの研究が物理学的に行われてきた[1,2]。しかし、その多
くは不揮発性の流体に対するものであり、揮発性の流体に関する研究はまだ
十分になされていない。特に、理論的側面からの揮発性流体の濡れダイナミ
クスの解明は不十分である。

そこで我々は、dynamic van der Waals理論[3]を用いて、揮発性流体の濡れの
ダイナミクスを計算機シミュレーションによって調べた。このdynamic van
der Waals理論は、二相流体に対するphase-fieldモデルであり、van der
Waals流体(液相・気相)の運動を記述する。温度は各所で与えられるので、
不均一な温度場を実現できる。それにより、蒸発や液化に伴う潜熱流を記述
することができる。流体は一成分流体としている。

本講演では、dynamic van der Waals理論について説明するとともに、以下の
二つの系でのシミュレーション結果について話す予定である。

(1)部分濡れの条件で固体床に液滴をのせ、床を加熱した場合[4]。
このとき、蒸発は接触線の近くでのみ起きていることがわかった。

(2)完全濡れの条件で固体床に液滴をのせ、床を冷却した場合[5]。
このとき、液滴は先行薄膜(precursor film)を形成しながら床を拡が
っていく(spreading)。液化は主に先行薄膜で起きており、接触線近く
で特に強い液化が見られた。この系において、先行薄膜の成長には
液化が大きく寄与していることがわかった。

ただし、この二つの系では共に、流体は円柱状の箱に封入されているとしている。
そして、軸対称系を仮定している。

参考文献
[1] P.G. de Gennes, “Wetting: statics and dynamics”, Rev. Mod. Phys.
57,827 (1985).
[2]D. Bonn, J. Eggers, J. Indekeu, J. Meunier, and E. Rolley,
“Wetting and spreading”, Rev. Mod. Phys. 81, 740 (2009).
[3] A. Onuki, “Dynamic van der Waals theory”, Phys. Rev. E, 75,
036304(2007)
[4]R. Teshigawara and A. Onuki, “Droplet evaporation in
one-component fluids: Dynamic van der Waals theory”, EPL,
84, 36003 (2008).
[5] R. Teshigawara and A. Onuki, “Spreading with evaporation and
condensation in one-component fluids”, arXiv: 1005.1020 (2010).

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世話人:山田 道夫(京大数理研), 藤 定義(京大),松本 剛(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:山田道夫 yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp
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流体物理学ゼミナール2010/05/17

流体力学セミナー流体力学セミナー

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流体力学セミナー 2010

日時: 5月17日(月) 15:00 から 16:30

場所: 京大 数理解析研究所 204号室

講師: 森田 英俊 氏(京大理)

題目: 二次元乱流系における巨視的非定常流

概要:二次元乱流において巨視的パターンが自己組織化されることがよく
知られている.この20年程の研究により,これらの巨視的定常流が,
二次元Euler方程式に平衡統計力学を適用したときの「平衡」状態,
として記述されることがわかってきた[1].しかし従来,
その対称は主として定常流(「平衡」状態)に限られてきた.

一方,熱力学系は平衡状態から離れるにつれて,非平衡定常状態,
さらに分岐を起こしてリミットサイクル等の巨視的非定常運動を生む.
この非平衡系の一般的知見からいって,二次元乱流においても,巨視的
定常流から遠く離れたところで,非定常流がみられることが期待される.

本講演では,この非定常流が実際に見られたこと,およびその機構を報告する.
二次元Euler方程式において,巨視的定常流に対してある変位を与える.
変位が小さいと,系はその定常流の近傍へと緩和する.それに対し,
変位が大きくなると,系は「分岐」を起こし,ある巨視的非定常流が実現する.
この非定常流は定常流に緩和するまでの過渡的なものではなく,ずっと安定
して続く.外力なくこの非定常流が続くのは,その非定常流自身により
系が励起される,自己励起的な機構による.これは講演者らが以前発見した,
大自由度Hamilton力学系における集団運動[2]と同様のものである.

[1] R. Robert, J. Stat. Phys. ¥textbf{65}, 531 (1991).
[2] H. Morita and K. Kaneko, Phys. Rev. Lett. ¥textbf{96}, 050602 (2006).

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世話人:山田 道夫(京大数理研), 藤 定義(京大),松本 剛(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:山田道夫 yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp
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流体物理学ゼミナール2010/05/10

流体力学セミナー流体力学セミナー

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流体力学セミナー 2010

日時: 5月10日(月) 15:00 から 16:30

場所: 京大 数理解析研究所 204号室

講師: 横山 直人 氏
(京大 工学研究科 航空宇宙工学専攻)

題目: 波動乱流の大自由度性と弱非線形性

概要:海洋表面波や海洋内部波、金属薄板を伝播する弾性波など、自由度の大きな
波動場が非線形相互作用によって波数間のエネルギー授受を行う系は波動乱流系
と呼ばれる。波動乱流の統計理論では、波数間の非線形相互作用が弱いことを
仮定した弱乱流理論から得られる、運動論的方程式が一定の成功を収めている。
しかしながら、海洋表面重力波や海洋内部重力波の観測や数値計算では、
弱非線形の仮定を破るような短時間の強い非線形相互作用がしばしば見られる。

Navier-Stokes乱流で用いられる直接相互作用近似によって、弱非線形性を仮定
することなく、波動乱流のエネルギー輸送を記述する式を導いた。また、得られ
たエネルギー輸送式において、さらに弱非線形相互作用を仮定することによって
弱乱流理論の運動論的方程式をを再現できた。このことは、波動場が大自由度で
あることを用いた直接相互作用近似による枠組みが、大自由度とともに弱非線形
性を仮定した弱乱流理論の自然な拡張となっていることを表している。

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世話人:山田 道夫(京大数理研), 藤 定義(京大),松本 剛(京大理)
アドバイザー:船越 満明(京大情報学)、水島 二郎(同志社大工)、
余田 成男(京大理)
連絡先:山田道夫 yamada@kurims.kyoto-u.ac.jp
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